バブル時代から男女の新しい出会いの形として「ネルトンパーティー」が登場し、バブル崩壊時代とＩＴ社会の幕開け、そしてネットの普及などで一気に出会いの手段が多様化。それと同時に、地域コミュニティーの崩壊が起こり、いわゆる「ご近所紹介」のお見合いというものが日本から姿を消しました。
そして新しいパートナー探しは他人を頼るのではなく自分で見つけるという「結婚活動」つまり「婚活」という言葉が登場したのです。その中でもすでに欧米などで盛んに行われていたパーティーが日本で変形して婚活パーティーになったものだと考えられています。
ヨーロッパやアメリカが「社交パーティー」と呼ぶのに対して、日本が婚活パーティーと呼ぶのは「出会い」というものがそれだけまだまだ偶然に左右されるべきであり、結婚前提でなければ「出会いたくない」という気持ちが逆に働いているような気がします。
さて、このようにある意味差別化されて起こった婚活パーティーですが、次にその内容と趣旨について大まかに説明したいと思います。
カップリング形式のお見合い
これは婚活パーティーの中でもスタンダード。名古屋でも多くのお見合いパーティー業者がこのスタイルをとっています。
これはとにかく「結婚したい男女」のカップルを「効率よく作り上げる」ことが目的であり、そのためパーティーという言葉とは全然イメージが変わったものになっているのが現状。
華やかさ・お祝いという本来のパーティーとは違い、とにかく男女二人をくっつけるためのイベントなのです。
流れは机の周りに男女が分かれて向かい合わせで座り、次々と相手を変えていくという「カップリング形式」を採用。流れ作業的にどんどん異性と向かい合わせて話して行きます。
大体の持ち時間は一人につき２～３分ぐらい。ちょっとベルトコンベアーに乗せられた商品のようにめまぐるしい動きで、さみしい部分もあったりします。
このカップリング形式のメリットはとにかく「大量の異性」ところでしょう。次々と相手を変えていくのでとにかくいろんな人と一度に話しまくれるというのはある意味効率的。
逆にデメリットとしては「出会うことのみ」が目的とされており「パーティーの楽しみ」という点ではあまりにも刹那的なところ。
食事をしたり、カクテルやワインを飲んだり、仕事の話をしたり、お祝いをしたり、などの時間は全くありません。
合コン形式の婚活パーティー
そこで登場したのがもう少しだけ時間をとれる合コン形式の婚活パーティーなのです。これは居酒屋文化の日本ならではの新しいスタイルで、本当に飲み屋を貸し切って集団の合コンを開きます。一般的な合コンと何が違うかというと、その目的が「婚活」に絞られているかどうかという点でしょう。
合コン形式の婚活パーティーは時間も２時間～３時間とながく、グループトークの時間も３０分位とかなり眺め。ある程度アドレス交換などが終わったら隣のグループと入れ替えるという形をとっており、一人と長く話したいという人にはぴったりでしょう。
このパーティーのメリットは「お酒が入り打ち解けやすいこと」「グループ全体で盛り上がれること」「一人と話す時間が長い」ということなどが上げられます。
逆にデメリットとしては「値段が結構高いこと」「気に入らない人でも長時間話すこと」「グループのバランスに左右されること」などが上げられます。
良くみられる光景としてインテリ系の話を好むサラリーマンと、とりあえずノリ命・お笑い系のサラリーマンが同席した場合、話がかみ合わなくてグループ全体が盛り下がっているというもの。
逆にみんなの息が一つになると、その後二次会に行ったりと楽しそうです
立食形式の婚活パーティー
最近ようやく欧米式のパーティー文化が名古屋にもなじみ、海外スタイルの立食形式で行われる婚活パーティーが登場しました。
目的こそ婚活ではありますが、カクテルやワインを飲みつつ、おつまみをボーイさんからもらって食べるというよく映画などで見られる華やかなイベント。
主催差者は大体海外留学などの経験者で向こうのパーティー文化に惚れて日本でも同じようなイベントを開催しているようです。
会場内ではジャズ系の生演奏があったり、アーティストが作り上げた美術品が並んでいたりと、空間づくりが上手いと思います。
この立食形式のメリットは自分でどんどん話しかけられること、一人と長く話すことも可能であり、逆に趣味が合わなければすぐに別の人のところに行ける所です。
逆にデメリットとしては名古屋での回数が少ない点と、話が下手な人、積極性がない人はなかなかこのような婚活パーティーはなじめないのではないかと思います。
個人的にはこの手のパーティーが日本全国に広まれば、苦行のように響き渡る「婚活」という言葉も日本から消え去るような気がして応援したいと思っています。
